日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハルマ辞書」の意味・わかりやすい解説
ハルマ辞書
はるまじしょ
オランダの書籍商・出版業者であるフランソア・ハルマFrançois Halma(1653―1722)が、ユトレヒトで出版した『蘭仏(らんふつ)辞典』Woordenboek der Nederduitsche en Fransche Taalenの第二版(1729)を底本として、日本で訳された2種の蘭和辞典。一つは、江戸で蘭学者の稲村三伯(いなむらさんぱく)らが訳して出版した『ハルマ和解(わげ)』(1796、別名『江戸ハルマ』)であり、他は、長崎でオランダ商館長ドゥーフが中心となって通詞(つうじ)らと訳した『道訳法爾馬(ドゥーフ・ハルマ)』(1810以後、別名『長崎ハルマ』)である。なお、ハルマの当て字としてほかに「波留麻」「彼児馬」「波留間」などがある。
[彌吉光長]