ハロッド=ドーマー・モデル(その他表記)Harrod-Domar Model

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ハロッド=ドーマー・モデル
Harrod-Domar Model

J.M.ケインズが『一般理論』で示した完全雇用均衡のモデルを動学化したものであり,R.F.ハロッドと E.D.ドーマーによりほぼ同時期に開発された。この特徴は,新古典派のモデルと違い,生産要素を代替的でなく補完的に見るところにある。ある生産活動に振り向けられる資本労働の関係を固定的であるとする。したがってこのモデルは,労働供給制約がないとともに,資本係数が固定的である生産関係前提になっている。そしてこのモデルにおいて,成長率貯蓄率を (限界) 資本係数で割ったものとして定義される。この成長率を維持し続けることはきわめて不安定であるということも一つの特徴である。

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