日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンティ・マンシ」の意味・わかりやすい解説
ハンティ・マンシ
はんてぃまんし
Ханты-Манси/Hantï-Mansi
ロシア連邦チュメニ州に属する自治管区。ハンティ・マンシ自治管区Ханты-Мансийск автономный округ/Hantï-Mansiysk avtonomnïy okrugという。ハンティとマンシは、それぞれ自治管区を構成する少数民族名。ロシア連邦中部、チュメニ州の北部、西シベリア低地のオビ川中・下流域に位置する。1930年にオスチャコ・ボグーリスクОстяко-Вогульск а.о./Ostyako-Vogul'sk a.o.民族管区として創設され、40年に現在の名称に変わったが、77年までは民族管区といった。面積52万3100平方キロメートル、人口129万5400(2003推計)。行政中心地はハンティ・マンシイスク。
気候は冬が長く厳しい大陸性気候である。平均気温は1月零下23~零下18℃、7月16~19℃。年降水量は約500ミリメートル。
1989年国勢調査による民族構成は、ロシア人(85万0297、66.3%)、ウクライナ人(14万8317、11.6%)、タタール人(9万7689、7.6%)、バシキール人(3万1151、2.4%)、ベラルーシ人(2万7775、2.2%)、アゼルバイジャン人(1万2846、1.0%)などとなっており、自治管区の名称民族であるハンティ人(1万1892、0.9%)、マンシ人(6562、0.5%)は非常に少ない。
おもな産業は、石油・天然ガス精製(石油および天然ガスの産出地として有名なチュメニ油田地帯にある)、林業、木材加工、漁業、毛皮獣飼育・狩猟、ジャガイモ、野菜の栽培などである。
[上野俊彦]