西シベリア低地(読み)にしシベリアていち(英語表記)Zapadno-Sibirskaya nizmennost'

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西シベリア低地」の意味・わかりやすい解説

西シベリア低地
にしシベリアていち
Zapadno-Sibirskaya nizmennost'

ロシア中部,西シベリアにある広大な低地。西シベリア平原 Zapadno-Sibirskaya ravninaともいう。北はカラ海に面し,西はウラル山脈,東はエニセイ川,南はカザフスタントゥルガイ高原カザフ丘陵アルタイ山地によってかぎられる。南北 2500kmにわたり,東西の幅は 1000~1900km。面積約 260万 km2。中央部をオビ川南東から北西へ貫流し,大部分がその流域に属する。標高は 50~150mで,北部にはモレーン(氷堆石)の丘陵が見られるが,そのほかのところはきわめて単調な平地が続く。水平に近い堆積状態を示す中生代~新生代古第三紀の地層からなり,表面は南部ではレス,北部では後氷期の砂,粘土などで覆われる。北部はツンドラ,中・南部は森林地帯,南縁部は森林ステップ,ステップ地帯に入る。年降水量は中部では約 500mmであるが,北部と南部では 200~300mm。春~初夏の大水により浸水する部分が多く,特に南部のバシュガニエ湿地では2~3ヵ月間冠水し,交通が途絶する。近年地下資源として石油,天然ガスを埋蔵することが発見され,チュメン油田そのほかで大規模な開発が始まった。南部を走るシベリア横断鉄道本線,支線に沿ってノボシビルスクオムスク,チュメン,クルガントムスクなどの都市があるが,中・北部には,自動車,航空機以外に交通の便のない地域が多く,小舟,そりによるしかない地域も少なくない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android