改訂新版 世界大百科事典 「バウエラ」の意味・わかりやすい解説
バウエラ
Bauera rubioides Andr.
ユキノシタ科の常緑低木。葉や樹姿がエリカに似ているのでエリカモドキとも呼ばれるが,類縁的には関係がない。花屋で〈愛のかんざし〉の名で呼ばれることもある。花は直径1.5~2cm,花弁は8枚前後で,紫をおびた淡紅色または白色。かんざしのように下を向いて垂れて咲く。原産地はオーストラリア,タスマニア。枝は細くやや横に向く。高さは50cmくらいだが,原産地では2mにもなる。葉は小さく,長さ1cmくらいで,深く3裂し,各片は長楕円形,縁に鋸歯がある。2枚の葉が対生するので,外見上6枚の葉が輪生しているように見える。花期は春だが,温室では冬季から開花し,またそれ以外の時期にも開花がみられる。繁殖は挿木により,少し湿潤な環境を好む。冬季は5℃以上に保温する。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報