普及版 字通 の解説
11画
[字訓] ひぐれ・くらい・おそい・なし
[説文解字]
[字形] 会意
(ぼう)+日。草間に日が沈むときの意で、(暮)の初文。が否定詞などに使われ、さらに日を加えてとなった。〔説文〕一下に「日且(まさ)に冥(く)れんとするなり」とあり、・冥(めい)は双声。金文の〔晋公(しんこうてい)〕「來王せざる(な)し」のように、否定詞に用いる。否定詞の用法は、靡・末・無・(亡)・罔・蔑などと声近く、通用の義。金文には旦暮の意の例がなく、亞(亜)字形中にをしるして、墓の意を示したかとみられる例がある。
[訓義]
1. ひぐれ、くれかた、よる。
2. くらい、おそい。
3. むなしい、さびしい。
4. 漢と通じ、ひろい、しずか。
5. なし、なかれ、打ち消しに用いる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 マナ・ナカレ・ナシ・サダマル・ウスシ・シヅカナリ/ ナニカハスル・サモアラバアレ/無 ウスイコトモナシ/白 ホロシ・ツグミノイヒワ(ネ)
[声系]
〔説文〕に声として・・(幕)・(漠)・(墓)など二十二字を収める。幽暗・静寂の意をもつものは、の声義を承けるものである。
[語系]
mak、(晩)miuanは声に通ずるところがあり、暮夜をいう。否定詞としては無・毋miua、・罔miuang、蔑miat、末muat、未・勿miutなど、声近く、みな仮借して用いる。
[熟語]
哀▶・逆▶・二▶・勝▶・然▶・大▶・智▶・朕▶・▶・非▶・府▶・邪▶・耶▶・絡▶・落▶・慮▶・寒▶・訓▶・宿▶・春▶・年▶・夜▶
[下接語]
・広・索・遮・寂・蚤・適・文・落
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報