バダーリー文化(読み)バダーリーぶんか(その他表記)Badārī culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バダーリー文化」の意味・わかりやすい解説

バダーリー文化
バダーリーぶんか
Badārī culture

約前 4000年頃の上エジプトの先王朝時代 (金石併用時代) の文化。中部エジプトのナイル川東岸のバダーリーが標準遺跡。ターサ文化から直接発達したもので,初めて銅が利用された (ピン,ビーズ) 。住居は泥土製の簡単なもので,墓は円形か方形の竪穴墓であった。黒頂土器が発達し,櫛,腕輪,スプーンなどの象牙製品,スレート製のパレット (化粧皿) ,石製ビーズなどが発見された。しかしナイフ,スクレーパー,鏃などの石器もまだ使用されていた。なおシリア産の松材や松脂が輸入されたことは注目される。 (→バダーリー遺跡 )  

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android