デジタル大辞泉 「松脂」の意味・読み・例文・類語
まつ‐やに【松▽脂】
[類語]樹脂・
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
天然樹脂の一種。生(なま)松脂とロジンの二通りの意味がある。マツ科の植物の幹に傷をつけるとバルサム(生松脂)が分泌される。特有の強い芳香がある。生松脂を水蒸気蒸留して含有されているテレビン油を除去したのち、加熱して水分を除いて冷却固化した黄褐色のもろい樹脂がロジンである。主成分は樹脂酸(C20H30O2、アビエチン酸とビマル酸)と、一般式CnH2n-10O4のコロフェン酸からなる。ワニス、接着剤、ベルトの滑り止め、紙のサイジング剤などに利用する。特殊な用途としては、松脂とひまし油を混合し加温して得られた粘着物をハエ取り紙に使用したことがあった。
[垣内 弘]
マツ属樹木が幹から分泌するやに。幹の方向に発達した細胞間道に,周囲の細胞から送りこまれた分泌物がたまり,外部にあふれでて松やにとなる。採取のためには樹皮をはぎ,木部に傷をつけ,にじみでてきたものを集める。分泌したばかりの松やには,無色透明の,粘りけの強い液体(生松やにと呼ぶ)であるが,時とともに揮発性成分が蒸発して固形物となる。これに水蒸気をあてたときに水蒸気とともにでてくるもの,および前記の揮発性成分がテレビン油(ガムターペンティン)で,残ったものがロジン(ガムロジン)である。ロジンだけを松やにと呼ぶこともある。松やにはやにのうち最大の工業原料であり,採取の効率化が広く行われている。とりわけ傷の上方数mへの薬剤(例,パラコート)塗布は松やにの分泌量を7~8倍にも増やす。松やにの生産はかつてはアメリカが中心であったが,今は中国となった。日本は生産を行わず,主として両国から輸入している。
執筆者:善本 知孝
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