日本大百科全書(ニッポニカ) 「バニル」の意味・わかりやすい解説 バニルばにるVanir 北欧神話に現れる神族の名。戦(いくさ)の神であるアサ神族に対し、豊饒(ほうじょう)と平和の神である。ニョルド、フレイ、フレイヤがこの神族に属する。スノッリによると、アサ神族とバニル神族の間で戦端が開かれたが勝敗がつかず、結局講和が結ばれて人質が交換された。前記三神のうちニョルドとフレイがアサ神族に引き渡され、アサ神族からはヘニールとミミルが差し出されたが、この戦がなんらかの歴史的事件を反映するかどうかについては諸説がある。バニル神族は近親結婚を認め、またフレイヤは魔法を教えたという。[谷口幸男] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例