改訂新版 世界大百科事典 「バルバラ」の意味・わかりやすい解説
バルバラ
Barbara
生没年:238ころ-306ころ
小アジア,ニコメディア出身の伝説的聖女。十四救難聖人の一人。鉱夫,消防士,砲兵,建築家,塔,火薬庫などの守護聖人。また不慮の事故による死者の救済者。富裕な異教徒の娘で,娘を熱愛する父によって塔に閉じ込められていた。キリスト教に改宗するや父が役人に引き渡し,バルバラは斬首されて殉教。父は刑場で雷に打たれ灰燼に帰した。伝説は7世紀に形成され,美術においては8世紀にはフレスコ画に描かれている。三つの窓(三位一体を象徴する)を持つ塔,聖杯,クジャクの羽毛,シュロの枝などを手にすることが多く(ファン・アイク《バルバラ》),アレクサンドリアのカタリナらとともに描かれることもある。祝日は12月4日。
執筆者:篠 雅広
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報