改訂新版 世界大百科事典 「バルヒー」の意味・わかりやすい解説 バルヒーAbū Zayd al-Balkhī生没年:850ころ-934 アラブの著名な学者。とくに地理学者として重要である。中央アジアのバルフ近くの小村に生まれ,のちイラク遊学中に哲学者キンディーの弟子となった。イスラムの伝統的学問のほか,哲学,占星術,天文学,薬学などを学び,多くの著作を残したが,ほとんど散逸した。晩年に著した地理書《世界の姿》(920ころ)は当時のイスラム帝国の全領域を20の部分に分けた一種の世界地図で,おのおのの地図には短い注釈が付されていた。この形式はのちの地理学者へ受け継がれ,9~10世紀イスラム地理学上の重要な一学派を形成した。執筆者:佐々木 淑子 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by