知恵蔵 の解説
バンクーバー2010パラリンピック
40以上の国と地域から、選手と関係者合わせて約1千350人(予定)が集まり、5つの競技(アルペンスキー、バイアスロン、クロスカントリースキー、車いすカーリング、アイス・スレッジ・ホッケー)で64種目を競う。各競技・種目は、障害の種類・程度によってさらにカテゴリーが分けられる。
開会式は、BCプレイス・スタジアム(バンクーバー)、閉会式はセレブレーションサイト(ウィスラー)で行われる予定。
大会会場はバンクーバー・エリアとウィスラー・エリアの二つに分けられ、バンクーバー・エリアでは、車いすカーリングとアイス・スレッジ・ホッケーが、ウィスラー・エリアで残りの競技が行われる。
バンクーバー2010パラリンピックのエンブレムには、カナダ西海岸の自然をデザイン化した図柄に、3本の曲線が添えられており、本大会が、選手と、スポーツに対するカナダの情熱と、世界で最も壮麗な冬の大自然とを一つに結びつける祭典であることを象徴している。
06年のトリノ・オリンピック閉会式では、バンクーバー市長サム・サリバン氏(当時)が車いすでステージに上がってオリンピック旗を引き継ぎ、高々と掲げた。バンクーバー、ウィスラーはともに、これまでのパラリンピック開催地の中でもバリアフリー環境の整備が最も進んだ都市であるとの評価があり、サリバン市長の旗引き継ぎのシーンは象徴的と言われている。ウィスラーは、1960年代に始まる開発段階からバリアフリーを考慮して設計されており、ビレッジ内は車の乗り入れが禁止され、車いす利用者を含む歩行者すべてが安心して行き来できる。またウィスラーでは年間を通じて、障害のある人もシット・スキーやスノーボード、ハンドサイクル、カヤックといったさまざまなスポーツやレクリエーションを楽しめるよう、プログラムの提供や用具のレンタル等を行っている。
(葛西奈津子 フリーランスライター / 2009年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報