デジタル大辞泉 「クロスカントリースキー」の意味・読み・例文・類語 クロスカントリー‐スキー 《cross-country skiingから》スキーを履いて雪の積もった田野や丘陵を駆けるスポーツ。また、その所要時間を競うスキー競技。特に、距離競技をさす。クロスカントリー。[補説]競技では、スキーの技術と持久力とが求められるため、「雪原のマラソン」ともよばれる。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
知恵蔵 「クロスカントリースキー」の解説 クロスカントリースキー スキー競技のうち、ノルディック種目の一つ。つま先でブーツを固定するビンディングのついたスキーとポール(ストック)を使い、丘陵や森林の中を走る。 走法には、クラシカル・テクニックとフリー・テクニックの2種類がある。 クラシカル走法では、圧雪された雪面に2本1組の溝(トラック)を設置し、V字に開脚して登る坂や鋭角なカーブなどを除いて、選手はトラック内でスキーを平行に滑らせて走行する。開脚滑走法のスケーティングによる推進はルール違反となる。クラシカル用のスキーは、弓状に反ったベンドを持ち、トップ部とテール部が滑走用のグライド・ゾーン、中央部の数十センチメートルはグリップ・ゾーンとなっている。グリップ・ゾーンには、滑りを止める専用のグリップワックスを施す。これにより、足を踏み込んだ際にグリップ・ゾーンで雪面をとらえてキックが可能となり、すり出した他方の足に重心移動を行い滑走する。グライド・ゾーンには、滑走用のワックスを使う。 フリー走法では、下り坂で滑降する場合を除き、スケーティングでの滑走が中心となる。この場合、スキーに滑りを止める部分は必要なく、滑走面全体を滑らせるため、滑走用ワックスを施す。 競技フォーマットは、距離やスタート方法などの違いから6種類に分けられる。 「インターバル・スタート競技」は、通常30秒間隔で1人ずつスタートし、各選手の所要タイムを競う。スタート5秒前からカウントがあり、口頭または電子スタート音でスタート合図が出されるが、選手はスタート時間の3秒前後の間であればいつスタートしてもよい。所要タイムは本来定められたスタート時間に基づいて計算される。 「マス・スタート競技」は、全ての選手が一斉にスタートし、着順を競う。 「スキーアスロン」は、マス・スタートにより、前半はクラシカル走法で走り、スタジアム内のピット・ボックス内でスキーを取り換え、後半をフリー・テクニックで走るもので、ワールドカップでは「距離複合」または「パシュート」と呼ばれる。 「チーム・スプリント競技」は、2名の選手が規定周回ごとに交代し、それぞれ3~6区間を走り、着順を競う競技である。他に「個人スプリント」、「リレー競技」がある。 冬季五輪種目としてのクロスカントリースキーは、1924年の第1回大会から採用され、男子の18キロメートル及び50キロメートルクラシカルが実施された。女子は52年のオスロオリンピックで10キロメートルクラシカルが初めて実施された。ソチでは、スキーアスロン、スプリント・フリー、チームスプリント・クラシカル、クラシカル、マス・スタート・フリー、リレーの各種目について男女の競技が行われる。 このほか主要大会として、長距離クロスカントリースキー大会の国際連盟であるワールドロペットが主催する世界16大会のシリーズがあり、86年から札幌国際スキーマラソン大会(50キロメートル)が加わっている。 (葛西奈津子 フリーランスライター / 2014年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロスカントリースキー」の意味・わかりやすい解説 クロスカントリースキーcross-country skiing ノルディックスキーの種目の一つ。北ヨーロッパを中心に冬季の移動手段として,またレクリエーションとして発達。競技としてはスピードよりも長距離を滑走する持久力と技術が求められる。森林や丘陵地に設けられた雪上コースをスキーをつけて滑り,その所要時間を競う。コースにはキロメートル表示,進路を示す矢印などの標識が設けられる。競技種目は男子 10km,15km,30km,50km,40kmリレー (10km×4人) 。女子 5km,10km,15km,30km,20kmリレー (5km×4人) 。走法にはクラシカル走法 (交互滑走法) と,走法に制限がないフリー走法の2種類がある。フリーではおもにスケーティング走法が主流。 1992年のアルベールビル・オリンピック冬季競技大会から,走法によって種目が分けられた。個人種目では,1人ずつ 15秒または 30秒間隔でスタートすることが多いが,2人ずつのダブルスタートもある。リレーでは各チームが横1列になって同時にスタート (マススタート) する。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報