アメリカの人類学者。アメリカ・インディアンの研究者で、「文化領域」の概念の提唱者として知られる。インディアナ大学からコロンビア大学に進んで心理学博士となったのち、フランツ・ボアズに師事して人類学に転じた。1902年以来40年間にわたりアメリカ自然史博物館の職員となり、長らく人類学部門の展示責任者の地位にあったほか、エール大学教授、アメリカ人類学会会長も務めた。アメリカ西部の平原インディアンの物質文化、社会組織、宗教体系、自然環境を総合的に調査し、博物館においてはその美術・工芸品を地域ごとに分類して展示するなかで、特定の文化要素がある地理的範囲内で特徴的な型をもつという「文化領域」の概念を発展させ、学界に多大な影響を与えた。ウィスラーの「文化領域」は、クローバーのそれが宗教観念や信仰の型に重きを置くのに対し、物質文化と自然環境との間の生態学的関係を重視するものである。アメリカ人類学の古典とされる主著『The American Indian』(1917)のほか『An Introduction to Social Anthropology』(1929)など多数の著書がある。
[上田紀行 2018年11月19日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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