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限界集落 げんかいしゅうらく

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知恵蔵2015の解説

限界集落

過疎化・高齢化が進展していく中で、経済的・社会的な共同生活の維持が難しくなり、社会単位としての存続が危ぶまれている集落。中山間地域や山村地域、離島などの社会経済的条件に恵まれない地域に集中している。大野晃・高知大学名誉教授が最初に使い始めた概念だが、1990年ごろから当該地域を対象とする地域振興だけでなく、国土・環境保全や多地域居住といった多様な視点から注目を集めるようになり、調査研究が進められている。2006年の総務省調査によると、過疎地域等の6万2271集落のうち、10年以内に消滅する可能性のある集落が422(0.7%)、10年以降に消滅する可能性のある集落が2219(3.6%)と予測されている。

(池上甲一 近畿大学農学部教授 / 2008年)

限界集落

過疎化と少子・高齢化の進行に合わせて、暮らしぶりに変化が生じている。山間部では集落を構成している人口の50%以上が65歳以上で、農作業や、冠婚葬祭などの集落としての共同体の機能を維持することが限界に近づきつつある集落が発生している。こうした集落を限界集落と呼び、マスコミなどでも取り上げられている。現在は、集落規模にとどまっているが、将来は自治体全体で、同様な状況が発生することが予想される。国でも農林水産省国土交通省を中心に、実態把握に乗り出している。

(平井允 まちづくりプランナー / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

限界集落

65歳以上の高齢者が集落人口の半数を超え、冠婚葬祭や田んぼ・生活道路の管理など、社会的な共同生活の維持が困難な状況にある集落のこと。機能を失った集落は消滅に向かうとされる。旭川大学の大野晃教授(高知大名誉教授)が1991年に提唱した。

(2016-10-13 朝日新聞 朝刊 岐阜全県・1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

げんかい‐しゅうらく〔‐シフラク〕【限界集落】

過疎などによって、65歳以上の高齢者の割合が50パーセントを超えるようになった集落。家を継ぐ若者が流出して、冠婚葬祭や農作業における互助など、社会的な共同作業が困難になった共同体。→限界団地

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

限界集落
げんかいしゅうらく

社会学者の大野晃(1940― )が高知大学教授だった1990年(平成2)前後に提唱した山村集落の区分の一つ。大野は人口の過半を占める年齢階層による量的規定と、生活の担い手の再生産可能性という質的規定によって山村集落を、(1)55歳未満が過半で、担い手が確保されている「存続集落」、(2)55歳以上が過半で、近い将来に担い手確保困難が予想される「準限界集落」、(3)65歳以上が過半で、担い手の確保と社会的共同生活の維持が困難となった「限界集落」、(4)人口・戸数がゼロとなった「消滅集落」、に静態的に区分し、高齢化に伴って(3)から(4)へ移行する危険性が山村集落に迫っているとの動態的視点から警鐘を鳴らした。
 限界集落ということばが注目されたのは2007年(平成19)であった。民主党が大躍進した参議院選挙で地域格差問題が争点となり、過疎問題の象徴として限界集落が取り上げられたからである。背景としては、(1)2000年以降の構造改革によって地方経済が疲弊していたこと、(2)少子化のため日本の人口が2007年から減少局面に入り、高齢化社会の本格的到来が国民的な関心をよんだこと、(3)市町村合併に伴って周辺集落への行政サービスのあり方が問題となったこと、(4)2010年に期限を迎えた過疎地域自立促進特別措置法改正の議論が盛んになっていたこと、が指摘される。
 2007年の国土交通省の調査では65歳以上が過半の集落は全国で7878あり、うち423は10年以内に、2220はいずれ消滅する可能性が高いとされた。しかし、(1)限界集落は山村だけでなく、農村、大都市中心部や郊外のニュータウンなどにも存在していること、(2)高齢化率が高まると限界集落となり、ただちに集落消滅に直結するわけではないこと、から限界集落という呼び方には批判もある。また、京都府綾部(あやべ)市のように「水源の里条例」を制定して(2006)、限界集落の再生・克服に踏み出す自治体も現れるなど、限界集落ということばがもつ「宿命性」を打破する試みが広がりつつある。[谷口信和]
『大野晃著『山村環境社会学序説――現代山村の限界集落化と流域共同管理』(2005・農山漁村文化協会) ▽山下祐介著『限界集落の真実――過疎の村は消えるか?』(ちくま新書)』

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