バンデロ(その他表記)Matteo Bandello

改訂新版 世界大百科事典 「バンデロ」の意味・わかりやすい解説

バンデロ
Matteo Bandello
生没年:1485-1561

イタリアの小説家。北イタリアに生まれ,パビア大学に学んだのち,ドメニコ会の修道士となる。冒険好きで世俗的野心家だった彼は,政治や軍事に興味をもってエステ家やスフォルツァ家に仕えた。1526年僧籍を離脱,フランス軍の武将チェーザレ・フレゴーソに仕官,スペイン軍と戦った。フレゴーソが暗殺されたのち,その未亡人とともに,フランスに赴いてアンリ2世の庇護をうける。50年アジャンの司教に任ぜられ,学問と創作に専念した。彼の傑作は214編からなる《短編小説集》で,《デカメロン》の形をついで,1510年から60年までの50年間にわたって書かれた。まず当時の名士淑女にあてた長い献呈の辞があり,本文は当時のうわさ話のほかに古代,中世の年代記から取材されたものも少なくない。単純な艶笑談もあるが,複雑でごたごたした筋,残虐なシーン,好色卑猥な描写が入りまじっている。ときに冗漫,ときにいきいきとした文体になる。そのなかの1編がシェークスピアの《ロミオとジュリエット》の種本になったことは有名である。邦訳《風流ミラノ夜話》(1948)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンデロ」の意味・わかりやすい解説

バンデロ
ばんでろ

バンデッロ

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世界大百科事典(旧版)内のバンデロの言及

【ノベラ】より

…デカメロンの成功は多くの類似作品を生み出した。フィレンツェのセル・ジョバンニが1383年以降執筆した《イル・ペコローネ》(シェークスピアの《ベニスの商人》で有名な人肉裁判の話を含む50話)やサッケッティの《トレチェント・ノベレ》(邦訳《ルネッサンス巷談集》),ルッカのセルカンビの《ノベレ》(15世紀初頭),さらにミラノのバンデロの《ノベレ》などがある。文学的には必ずしもすべてが優れたものではなく,退屈なものも多い。…

※「バンデロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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