ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーバク」の意味・わかりやすい解説
バーバク
Bābak; Pāpak
[没]838. サーマッラー
イラン北西部のアゼルバイジャンに起ったマズダキズム系のホッラミー派の反乱の指導者。父はクテシフォンの油商人。 816/7年頃,アゼルバイジャン北部のバッズを中心に,ホッラミー派運動を率いて,アッバース朝に対して蜂起。カリフ,マームーンが派遣した数次の討伐軍を撃退して,その勢力をジバール地方にまで拡大。 20年余にわたってアッバース朝を脅かしたが,835年イラン人官僚アフシーンが派遣されるに及んで,敗北を喫して捕われ,838年カリフ,ムータシムによって処刑された。彼の反乱はイランにおける反アッバース朝運動の最大のもので,特に民衆運動としての性格が強いものとされる。ホッラミー派の運動は彼の死をもっても終らず,11世紀まで続けられた。
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