ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パウリキアヌス派」の意味・わかりやすい解説 パウリキアヌス派パウリキアヌスはPaulicians 7世紀アルメニア地方から起ったキリスト教異端の一派。マルキオン派およびマニ教の直接的影響下に,現世を支配する悪神ときたるべき善神の存在を主張する二元論に立つ。唱道者はコンスタンチヌス・シルワヌス (641~648頃活躍) とされている。信者は聖書を権威として認めたが,旧約聖書および『ペテロの手紙』を拒否した。また水,パン,ぶどう酒,油などによる典礼的効果や地上の教会,教職位階を否定した。この派は当初ビザンチン帝国内に政治的,軍事的反乱を起したが,コンスタンチヌス3世,ユスチニアヌス2世などの弾圧を受けた。9世紀後半には復活し,キリキア,小アジアで栄えたが,872年バシリウス1世の遠征隊によって帝国辺境に追われ,一部は対ブルガリアの国境警備に配された。この派の教説は 10世紀初頭マケドニアに起ったボゴミール派に大きな影響を与えた。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by