日本大百科全書(ニッポニカ) 「パクチョイ」の意味・わかりやすい解説
パクチョイ
ぱくちょい / 小白菜
[学] Brassica rapa L. var. chinensis (L.) Kitam.
Brassica campestris L. var. chinensis Makino
アブラナ科(APG分類:アブラナ科)のツケナ類。中国野菜の一種で、タイサイ(体菜)に似る。タイサイは杓子菜(しゃくしな)あるいは布袋菜(ほていな)の別名もあり、在来品種と思われがちだが、もともとは小白菜(シヤオパイツアイ)の一系で、明治の初めごろに導入された。パクチョイは、中国では華中から華南にかけて周年栽培される主要な葉菜である。日本には昭和50年代から導入され、普及した。中国で扱われる小白菜のなかには、葉柄が浅緑色の青梗菜(チンコンツアイ)(青根菜)やタアサイも含まれるが、日本では葉柄の白い白梗菜(パイコンツアイ)をパクチョイとよぶことが多い。葉長は30~50センチメートルになるが、20~25センチメートルで出荷される。葉は杓子形で、葉身は外側に反り返り、鮮緑色。葉柄は白色。葉は葉柄も柔らかく、くせがなく、すこし甘味があり、火通りも早い。炒(いた)め物、鍋(なべ)物、煮物、スープの実、ひたし物、漬物と料理の範囲は広いが、輸送性と貯蔵性はチンゲンサイ(青梗菜)にやや劣る。耐暑性があり、夏も栽培が可能。
[湯浅浩史 2020年12月11日]