改訂新版 世界大百科事典 「パシッチ」の意味・わかりやすい解説
パシッチ
Nikola Pašić
生没年:1845-1926
セルビアおよびユーゴスラビアの政治家。青年時代チューリヒに留学し,そこでセルビア初の社会主義者マルコビッチを知り,彼の影響をうけた。帰国後,夭折したマルコビッチの遺志を継いで政治運動を展開。1882年,セルビア急進党が創設されるとその党首となるが,翌年党の扇動したティモク地方の農民反乱が失敗し,国外に亡命した。89年に大セルビア主義者として帰国し,セルビアの議会主義が確立した翌年の1904年から,南スラブ族の統一国家(セルビア人,クロアチア人,スロベニア人王国)が形成される18年まで首相兼外相。セルビア中心の集権的な統一国家建国に重大な役割を果たし,統一国家建国後も7度にわたり首相を務めた。
執筆者:柴 宜弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報