パトラス(その他表記)Patras

改訂新版 世界大百科事典 「パトラス」の意味・わかりやすい解説

パトラス
Patras

ペロポネソス半島の西端に位置するギリシア第4の都市。現代ギリシア語ではパートレPátrai,古典式ではパトライPatrai。軽工業を主とし,綿織物,タイヤオリーブ油皮革,ブドウ酒などを産する。人口16万3446(2001)。コリントス湾の入口に面する港としても重要で,イタリア方面,とくにブリンディジからの船はここに入港した後,ピレウスに向かう。古典期の遺跡海岸から少し奥にあったが,今はアクロポリスの跡が残るばかりで,さして見るべきものはない。ローマ時代のオデイオン(音楽堂)の完全に近い遺跡が1889年に発掘された。近代ギリシア独立の際,ここは最初にオスマン帝国に対して反旗をひるがえした町であり,今もその栄誉を誇っている。現代の町並みはその際にトルコ軍によって焼き払われた後,新しく造られたもの。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパトラスの言及

【ユートピア】より

…すでに18世紀にJ.スウィフトが《ガリバー旅行記》(1726)において,極大と極小の架空社会を描いたときに,理想国家の冷厳な現実が間接的にとりあげられていた。S.バトラー《エレホン》(1872)もまた,一見理想的にみえる社会のうちに逆説的な暗黒面を見いだし,結果として未来の予測可能性を疑わしめることになった。 19世紀から20世紀にかけて,新たな都市計画運動が起こり,ユートピアの理想が社会計画のうちに投影されるようになった。…

※「パトラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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