イタリア南部,プーリア州のアドリア海に面する港湾都市。古名ブルンディシウムBrundisium。人口9万3290(1990)。イタリア半島最南端に位置する天然の良港で,古代から東方への中継地として栄え,農業,商工業の中心地。ローマ時代,アッピア街道によりローマ~ブリンディジ間が直通し,東方への軍港,商業港として繁栄。中世には聖地巡礼,十字軍の出発地であった。アンジュー,アラゴン,スペイン,ブルボンの支配を経,スエズ運河の開通により1870-1914年には西洋と東洋を結ぶ主要港となった。両大戦下では軍港として発展。1943年9月から44年2月まで,イタリア王国政府の臨時本部となる。
執筆者:望月 一史
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イタリア南部、プーリア州ブリンディジ県の県都。人口9万1664(2001国勢調査速報値)。サレンティーナ半島北岸、アドリア海に臨む港湾・工業都市で、農産物の集散地。港は天然の良港で、ローマ時代にはアジア方面への渡航基地として栄え、またアッピア街道の終点でもあった。その後、停滞の時代が長く続くが、1869年のスエズ運河開通を契機として活路が開かれた。現在は東地中海、とくにギリシアへの連絡港として重要。1943年9月~44年2月バドリオ政権の拠点が置かれた。
[堺 憲一]
…イタリア半島の南東部を占め,アドリア海に沿っており,南東端のサレント半島の南岸はイオニア海のターラント湾に臨んでいる。フォッジア,バーリ,ターラント,ブリンディジ,レッチェの五つの県があり,州都はバーリ。山がちなイタリアのなかで,この州はほとんどが平野もしくは台地上の丘陵で,北西部のアドリア海に突き出たガルガノ半島およびモリーゼ,カンパニア両州との境界が山地をなしている程度で,標高1000mを超える山はわずかである。…
※「ブリンディジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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