パホイホイ溶岩(読み)パホイホイヨウガン(その他表記)pahoehoe lava

最新 地学事典 「パホイホイ溶岩」の解説

パホイホイようがん
パホイホイ溶岩

pahoehoe lava

粘性の小さい玄武岩質の溶岩流形態一種。パホイホイとはハワイの現地語で,この種の溶岩流を指す。表面は平滑で丸みを帯び,波を打つ形や縄状,ろうそくの液滴状などの外形を示す。多くのパホイホイ溶岩流はトウと呼ばれる丸みを帯びた扁平な袋状の筒の集合体からなっている。新鮮な溶岩流の表面が冷却固結すると弾力性に富んだ表面が平滑な皮殻を生じトウが形成される。その一部が破れて内部の新鮮な溶岩が流出し,新しいトウをつくる。これを繰り返してパホイホイ溶岩は前進する。その厚さは30cm~数mのものが多く,水平的広がりに比較して厚さは薄いのが特徴。ただし,内部に流入した新鮮な溶岩による溶岩膨張がみられ,溶岩の厚さが数m以上にも及ぶ場合もある。また,局所的な溶岩膨張により表層部が持ち上げられ,テュムラスのような塚状の表面形態を示すことがある。固結したパホイホイ溶岩流の断面には,内部の新鮮な溶岩が流出することで形成された溶岩チューブトンネル)がみられることが多い。パホイホイ溶岩の表面が板状に破砕された形態を示すものはスラビーパホイホイ,板状溶岩塊の径が小さいものはラブリーパホイホイと呼ばれる。パホイホイ溶岩が流れ下るにつれてアア溶岩流に変わる例は多くみられる。参考文献G.A.Macdonald(1953) Am. J. Sci.,Vol.251

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パホイホイ溶岩」の意味・わかりやすい解説

パホイホイ溶岩
パホイホイようがん
pahoehoe lava

粘性が小さく流動性の高い玄武岩質の溶岩の表面形態の一つ。マウナロア山やキラウエア山など火山活動が活発なハワイ島に多く見られ,名称もハワイ語に由来する。パホイホイ溶岩の溶岩流の表面はなめらかで丸みを帯び,先に冷え固まった溶岩の表面の薄い殻の下を未固結の溶岩が流れるため,縄状,ひだ状,あるいは扁平な袋状の模様ができる。同じくハワイで見られる玄武岩―安山岩質のアア溶岩のごつごつした粗い表面とは対照的である。パホイホイ溶岩は下流に移動するにつれ,温度が下がり,粘性を得ることで,アア溶岩に変化することもある。しかし,アア溶岩からパホイホイ溶岩への移行はほとんどない。流れる速度は比較的速く,急な斜面では時速約 50kmに及ぶ。冷却・固結したパホイホイ溶岩の内部にできた横穴状の空洞溶岩トンネル(溶岩チューブ)という。

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世界大百科事典(旧版)内のパホイホイ溶岩の言及

【溶岩流】より

…しかし中心部は高温で連続した液状部があり,溶岩流全体の前進は,中心部の流動によって支配される。厚さは1~20mの場合が多く,パホイホイ溶岩と比べて水平的広がりに対し厚さが大きい。(3)塊状block溶岩 安山岩質・デイサイト質・流紋岩質溶岩流に特徴的で,表面は径数十cm~数mの岩塊の集合で覆われている。…

※「パホイホイ溶岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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