パラメシュバラ(読み)ぱらめしゅばら

改訂新版 世界大百科事典 「パラメシュバラ」の意味・わかりやすい解説

パラメシュバラ
Paramesvara
生没年:?-1413?

マラッカ王国の建設者。14世紀後半におそらくスマトラ島パレンバン王族,もしくは貴族の子として生まれたらしい。1380年ころジャワ島のマジャパイト王国がパレンバンを攻撃した際に同地を逃れ,90年ころマレー半島南端近くのマラッカに移り,ここでマラッカ王国を建てたものと考えられる。彼の存在が確実に知られるのは1405年が最初で,当時この地域を訪れた明の鄭和ていわ)の艦隊との接触を通じて中国の朝貢国となり,11年にはみずから中国を訪れている。これは当時マレー半島に進出しつつあったタイのアユタヤ朝圧力に対抗するためであった。彼は13年に最後の使者を中国に派遣し,その直後に死去したと思われる。彼の性格などを知る手がかりはない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパラメシュバラの言及

【ジャヤバルマン[2世]】より

…在位802‐850年。諡号(しごう)パラメシュバラ(〈至高の君主〉の意)。その系譜などには不詳な部分が多いが,8世紀末インドネシアのジャワから帰国して分裂していた国内を再統一し,802年にマヘンドラパルバタ(アンコール遺跡に近いプノンクレーン丘)にバラモン僧を招いて即位式を挙げ,ジャワの宗主権を否定するなどの儀式を執り行った。…

※「パラメシュバラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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