パン・イスラーム主義

山川 世界史小辞典 改訂新版 「パン・イスラーム主義」の解説

パン・イスラーム主義(パン・イスラームしゅぎ)

キリスト教国の帝国主義的侵略にさらされたイスラーム諸国の間で19世紀後半,大同団結して侵略に対抗しようと生まれた思想。提唱者はアフガーニーエジプトムハンマド・アブドゥフは,原始イスラームの教義によってこの思想の神学的定義づけを行った。結局,この思想は復古的なユートピア思想に堕し,反動化してエジプトでは民族独立運動から離れトルコでは反動的改革と弾圧政策に,またドイツ帝国主義の3B政策に利用された。この思想の政治的部分はパン・アラブ主義として大きく発展していった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

関連語 アブドゥフ

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