最新 地学事典 「パンケヌシ斑糲岩体」の解説
パンケヌシはんれいがんたい
パンケヌシ斑糲岩体
Pankenushi complex
日高山脈北部の日高変成帯の東西4km×南北30kmの岩体。日高変成帯の構造に調和的な層状構造や縞状構造(北北西─南南東走向,東に急傾斜)を示すが,岩相変化の連続性は必ずしもよくない。構成岩石は集積岩の特徴を有し,岩体の西から東(下位から上位)に向かってトロクトロ岩・かんらん石斑れい岩・フェロアクチノ閃石岩の順に分布。全岩化学組成からはマグマの組成変化経路はソレアイト質系列に属する。構成鉱物の組成はかんらん石でFo87-26,斜長石でAn86-36程度。幅広く変化する全岩Sr・Nd同位体比は地殻物質の同化を示すが,最も汚染程度の低いトロクトロ岩は典型的なNタイプ中央海嶺玄武岩と類似のSr・Nd同位体比。U-Pbジルコン年代(18.5Ma±0.3Ma)。K-Ar角閃石年代(17.5±0.6Ma),K-Ar黒雲母年代(17.3±0.6Ma),Rb-Sr全岩─黒雲母アイソクロン年代(17.3±0.1Ma)が報告されており,日高火成活動の19〜18Ma期の活動である。参考文献:前田仁一郎(1997) 火山,Vol.42, 「マグマ」特別号: S107
執筆者:前田 仁一郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

