日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒブワクチン」の意味・わかりやすい解説
ヒブワクチン
ひぶわくちん
Hib vaccine
乳幼児の細菌性髄膜炎(細菌感染による髄膜炎)を防ぐためのワクチン。ヒブ(Hib:Haemophilus influenzae Typeb)とはインフルエンザ菌b型の略称で、細菌性髄膜炎の約60%はこの細菌が原因とされている。乳幼児が感染すると死亡する危険性があり、回復しても重篤な後遺症がみられることもある。細菌性髄膜炎を未然に防ぐヒブワクチンは、世界保健機関(WHO)が最重要ワクチンの一つとして定期接種を勧告しているもので、日本では2008年(平成20)に有料の任意接種が可能になり、2013年度から無料の定期接種となった。生後2か月から接種できる。細菌性髄膜炎の原因の約30%を占めるとされる肺炎球菌の予防ワクチンとの同時接種が推奨されている。
ヒブはインフルエンザ患者からみつかったためこの名がついたが、インフルエンザの原因菌ではない。
[編集部]