後遺症(読み)コウイショウ

デジタル大辞泉 「後遺症」の意味・読み・例文・類語

こうい‐しょう〔コウヰシヤウ〕【後遺症】

病気けがが治ったあとなお残っている機能障害などの症状脳卒中のあとの半身不随など。
あとあとまで残る、事件出来事影響。「大地震後遺症

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精選版 日本国語大辞典 「後遺症」の意味・読み・例文・類語

こうい‐しょうコウヰシャウ【後遺症】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 病気やけがをしたとき、機能や形態もとにもどらないで治った場合、その機能や形態の異常をいう。脳卒中での半身麻痺など。また、事故などのあと、しばらくたってから現われる障害をもいう。
    1. [初出の実例]「幸に恢復しても往々さまざまのいわゆる後遺症を残す重い病気です」(出典:生物と無生物の間(1956)〈川喜多愛郎〉二)
  3. 比喩的に、大きな事件や出来事などの、あとへ尾をひく影響。
    1. [初出の実例]「見てはならない世界を、あまりにも早く見すぎてしまった少年の、後遺症のようなものだった」(出典:蒼ざめた馬を見よ(1966)〈五木寛之〉四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「後遺症」の意味・わかりやすい解説

後遺症
こういしょう

疾病が完全に治癒していれば、ふたたび健全な日常生活を送ることができるが、病的現象は停止したが、病的状態が残っている不完全治癒の場合には、形態的あるいは機能的に欠陥を残して、種々の障害を現す。このような障害を後遺症とよぶ。

 脳卒中のあとに、運動障害や言語障害を残すもの、熱傷のあとにできた瘢痕(はんこん)のため、変形したり運動障害をきたすもの、交通外傷その他の頭部外傷ののちにおこる外傷性てんかんなど、さまざまな後遺症がみられる。身体的に変形や欠損などが残ったために、精神的に悪影響を及ぼし、心理的変化をおこす場合もある。また、急性一酸化炭素中毒で、意識障害が長時間にわたった場合には、健忘症候群や情意障害を主とした多彩な神経精神症状を示し、後遺症としての人格的変化は、社会復帰を著しく困難にすることもある。

[井上義朗]

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百科事典マイペディア 「後遺症」の意味・わかりやすい解説

後遺症【こういしょう】

ある疾病,障害が治癒(ちゆ)した後に残された症状。たとえば,ポリオの後の四肢麻痺脳出血の後の言語障害や半身不随,交通事故などの外傷後の機能障害,特に頭部外傷後の各種神経障害など。
→関連項目胃切除後症候群

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