化学辞典 第2版 「ヒルデブラントの規則」の解説
ヒルデブラントの規則
ヒルデブラントノキソク
Hildebrand's rule
液体の蒸発のエントロピーに関する規則で,トルートンの規(法)則を修正したもの(J.H. Hildebrand,1915年).蒸発熱を Le,絶対温度をTとするとき,温度として蒸気圧が1 atm になる温度,すなわち沸点をとるかわりに,蒸気の濃度が同じになる温度をとれば,多くの液体について Le/Tが同じ値になるという規則.N2(沸点55 K)からZn(沸点1130 K)に至る多くの有機および無機の液体について成り立つ.液体水素および会合性液体についてはあまりあてはまらない.たとえば,比較する温度として,蒸気の濃度が0.00507( = 1/22.4)mol L-1 になる温度をとり,Le を J mol-1 で表すと,多くの正常液体については115であるが,NH3では136,H2Oでは134である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報