ビッグイシュー(読み)びっぐいしゅー(その他表記)THE BIG ISSUE

知恵蔵 「ビッグイシュー」の解説

ビッグイシュー

ホームレスに仕事を提供することで自立を支援しようという目的で作られた雑誌街頭でホームレスが立ち売りをするといった形態で販売されている。若者の立場から社会問題をとりあげることをコンセプトにしている。このようなホームレスの自立支援のための雑誌は「ストリートペーパー」と呼ばれる。
1991年にロンドンで創刊され、2010年現在、「ビッグイシュー」という名前の雑誌は英国に4誌、日本を含めた世界各国に7誌存在する。日本では03年9月に創刊され、毎月1日と15日に発行されている。日本版の発行元は有限会社ビッグイシュー日本であり、本社は大阪府大阪市に置かれている。「ビッグイシュー日本版」の実売部数は3万部。定価は300円。経営は累積では赤字だが、単年度では黒字になっている。
ビッグイシューの販売システムは、始めにホームレスに無償で10部が提供され、2回目以降はその販売代金で1部140円で雑誌を仕入れ、売れたら160円の利益を得る、というもの。収益によってホームレスが定住地を見つけ、仕事を探せるようになることを目指している。
読者層は20代から30代の読者が5割を占めている。若い読者を集めるために誌面のビジュアル面に力を入れていることもあってか、読者の62%は女性である。販売員となっているホームレスは日本全国に150人おり、ボランティア各地で雑誌と販売員を支えている。

(小林拓矢  フリーライター / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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