改訂新版 世界大百科事典 「ピシンギーニャ」の意味・わかりやすい解説
ピシンギーニャ
Pixinguinha
生没年:1897-1973
ブラジルの大衆音楽家,作曲家,フルートおよびテナー・サックス奏者。本名アルフレード・ダ・ローシャ・ビアナAlfredo da Rocha Viana。ブラジルの代表的民衆音楽であるショーロおよびサンバの演奏家,作曲家として不朽の業績を残した。13歳の頃からフルートを吹いてショーロを演奏,20歳の頃からサンバを作曲した。1919年,ブラジル・ポピュラー音楽の史上に名高い8人編成の楽団オイト・バトゥタスOito Batutasを結成,22年にはパリへも渡った。ショーロに縁の深い楽器フルートの名人として聞こえたが,40年代の半ばからは指にふるえがきたためテナー・サックスに転向,これも名手として知られた。ブラジル大衆音楽のシンボルとして敬愛を受けながら活動し76歳で没したが,《ラメント》《カリニョーゾ》ほか彼が残した名曲は,こんにちも盛んに演奏されている。
執筆者:浜田 滋郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報