ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピットマン」の意味・わかりやすい解説
ピットマン
Pitman, Sir Isaac
[没]1897.1.12. サマセット
イギリスの教育家,ピットマン式速記法の創始者。グラマー・スクール卒業後,織布会社の書記となったが,1831年師範学校に入学。11年間小学校で教えたのちバスに私立学校を開設。1829年サミュエル・テーラーの速記法を覚えたのを契機に発音に基づく速記法の開発に熱中し,1837年出版業者サミュエル・バクスターのすすめにより独自の速記法『発音速記法』Stenographic Sound Handを刊行,バクスターはこの著書を廉価で発売し,ピットマン式速記法の普及に貢献した。その後バスに音声学院を設立し,『音声学雑誌』Phonetic Journalを発刊,著名な作品を速記文で刊行した。ピットマンの『表音速記法』Phonography(1840)は多くの版を重ねた。また熱烈な綴字改良主義者でもあり,独自の発音体系を採用して一般の利用に供しようと試みた。1894年にナイトの称号を与えられた。(→速記)
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