ピマ族(読み)ピマぞく(その他表記)Pima

翻訳|Pima

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピマ族」の意味・わかりやすい解説

ピマ族
ピマぞく
Pima

北アメリカ南西部に住むアメリカインディアンの一民族。人口約1万と推定される。言語はユート=アステカ語族に属する。自称「川の人」。アリゾナ州のヒラ川,ソルト川流域の定住農耕民で,ホホカム族の子孫と考えられている。1室の家に住み,灌漑を利用してトウモロコシや野菜を栽培し,採集狩猟も行う。進んだ農耕は村を大きくし,村長たちのなかから首長を選び,強力な社会組織をつくった。アパッチ族からの防衛や穀物作付け,収穫に連帯力を発揮した。早くから白人と接し,金鉱捜しの案内役を引受けたり,アパッチ戦争 (1861~86) で合衆国軍隊を助けて友好関係を保持した。現在は主としてヒラ,ソルト両川の指定居留地に住む。

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世界大百科事典(旧版)内のピマ族の言及

【アメリカ・インディアン】より

…低地は砂漠・乾燥地帯で,サボテン類,スゲ属の植物が卓越し,ロッキー山脈南部に相当する山麓地帯はマツ類やセイヨウネズなどにおおわれる。プエブロ諸族,アサパスカン系諸族,ピマ族,パパゴ族などがおもな原住民である。リオ・グランデ川上流域やアリゾナ州北東部に住むプエブロ族はオアシス的村落農耕民であった。…

【ホホカム文化】より

…北アメリカ南西部の砂漠地帯(アリゾナ州南部)に発展したアメリカ・インディアンの先史文化。開拓期(前100‐後500),植民期(500‐900),定着期(900‐1100)および古典期(1100‐1400)に分けられ,現在のピマ族Pima,パパゴ族Papagoの祖先の文化と考えられる。ヒラ川流域のスネークタウンSnaketown,ロス・ムエルトスLos Muertos,カサ・グランデCasa Grande,プエブロ・グランデPueblo GrandeなどがホホカムHohokam文化の主要遺跡である。…

※「ピマ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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