ピュイドドーム県(読み)ピュイドドーム(その他表記)Puy-de-Dôme

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピュイドドーム県」の意味・わかりやすい解説

ピュイドドーム〔県〕
ピュイドドーム
Puy-de-Dôme

フランス中部,オーベルニュ地域(レジオン)の県。マシフサントラル(中央山地)北部に位置する。旧オーベルニュ州北半およびブルボネ州,リヨネ州の一部からなる。県都クレルモンフェラン。中西部の火山地域ではピュイドドーム(1465m)を中心に,ピュイと呼ばれる円頂の火山丘が南北に連なるシェン・デ・ピュイと,それに並行して走るリマーニュ断層が独特の地形をつくっている(2018世界遺産の自然遺産に登録)。シェン・デ・ピュイ南部にはドール山地があり,最高峰はピュイドサンシー(1885m)である。これら新第三紀第四紀の火山を基盤とする台地ではウシの飼育が行なわれ,チーズの製造が盛ん。火山地域の東側ではアリエ川流域の平原が広がり,コムギ,サトウダイコン,果樹,ブドウの栽培が行なわれる。アリエ川支流のドール川流域はアンベール,ティエールなどの盆地を中心に牧畜地帯となっている。農閑期を利用した手工業が行なわれ,ティエールの刃物は有名。クレルモンフェランではタイヤや繊維を中心とする製造業が発達している。観光業も重要で,ロアイア,モンドール,ブルブルなどは湯治場。面積 7970km2。人口 63万5469(2011推計)。

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