ピリドキサール5-リン酸(読み)ピリドキサールリンサン

化学辞典 第2版 の解説

ピリドキサール5-リン酸
ピリドキサールリンサン
pyridoxal 5-phosphate

C8H10NO6P(247.15).略称PLP.ビタミン B6からつくられる補酵素の一種.合成法には,ピリドキシンリン酸の酸化,ピリドキサミンリン酸の脱アミノ化,アルデヒド基を保護したピリドキサール誘導体のリン酸化および脱保護する方法がある.橙黄色の針状晶.融点140~143 ℃.λmax 320,388 nm(log ε 2.5,4.9).ギ酸,含水ピリジン,希アルカリ水に易溶,水や一般有機溶剤に難溶.熱,光に不安定である.LD50 4640 mg/kg(マウス,経口).ピリドキサールリン酸はアミノ酸代謝の補酵素としてとくに重要で,その関与する酵素反応として,アミノ基転移反応,脱アミノ反応,脱炭酸反応,ラセミ化硫黄の転移,脱離反応などがある.ピリドキサールリン酸は酵素タンパク質分子のリシン残基とシッフ塩基の形で結合しており,基質となるアミノ酸は,そのリシンにかわって同様にシッフ塩基の形で結合して活性化される.[CAS 54-47-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 の解説

ピリドキサール5'リン酸

 C8H10NO6P(mw247.14).

 ビタミンB6の活性型の一つ.アミノ基転位,アミノ酸デカルボキシラーゼの補酵素として働く.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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