ビタミンB6(読み)ビタミンビーロク

デジタル大辞泉 「ビタミンB6」の意味・読み・例文・類語

ビタミン‐ビーろく【ビタミンB6

ビタミンB複合体の一。米ぬか酵母卵黄などに含まれ、たんぱく質代謝に関与する。欠乏では口内炎皮膚炎神経炎などがみられる。ピリドキシン

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精選版 日本国語大辞典 「ビタミンB6」の意味・読み・例文・類語

ビタミン‐ビーろく【ビタミンB6

  1. 〘 名詞 〙 水溶性ビタミン一つビタミンB複合体の一つ。酵母・米糠・卵黄などに含まれる。抗皮膚炎因子の一つ。無色の柱状結晶。欠乏すると口内炎・皮膚炎・神経炎などを起こす。ピリドキシン。

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化学辞典 第2版 「ビタミンB6」の解説

ビタミン B6
ビタミンビーロク
vitamin B6

ビタミン B6 と総称される化合物は,ピリドキシン,ピリドキサールピリドキサミンの3型を包含する.天然には,大部分リン酸エステルの型で存在する.ピリドキシン:C8H11NO3(169.18).白色の結晶.遊離塩基の融点は159~160 ℃.塩酸塩C8H11NO3・HCl(205.64)の分解点は204~208 ℃.水,アルコール類に可溶,ほかの有機溶媒に不溶.光により徐々に変化する.ピリドキシンは主として広く動物,植物界に分布し,肝臓,酵母,胚芽,および豆などに多く,ピリドキサール,ピリドキサミンはむしろ動物界に多く見いだされる.ピリドキシンは,最初,ネズミに必須な物質として発見され,ネズミ抗皮膚炎因子またはネズミ抗ペラグラ因子と命名されたが,その後の研究で,ネズミとヒトにおいてはピリドキシンは,活性のより強い誘導体,ピリドキサール5-リン酸,ピリドキサミンリン酸に転換され,タンパク質代謝におけるアミノ基転移や,脱炭酸反応などを行う酵素の補酵素として,重要な役割を果たしていることが明らかになった.現在,ビタミン B6 欠乏症は,シロネズミ,イヌ,ブタ,キツネ,ネコ,サルなどにおいて,けいれん,筋力低下,脂漏性皮膚炎,ペラグラ様皮膚炎,低色素性小球性貧血末梢神経の脱髄などの症状として認められ,ヒトにおいても脂漏性皮膚炎,口内炎,神経炎などが認められている.[CAS 58-56-0]

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栄養・生化学辞典 「ビタミンB6」の解説

ビタミンB6

 C8H9NO3 (mw167.16)(pyridoxal),C8H12ClNO3 (mw205.64)(pyridoxine hydrochloride),C8H14Cl2N2O2(mw241.12)(pyridoxamine dihydrochloride).

 B群ビタミンの一つ.化学物質としては,ピリドキサール,ピリドキサミン,ピリドキソールがある.

 図は,上から,ピリドキソール(ピリドキシン),ピリドキサール,ピリドキサミン.

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「ビタミンB6」の解説

ビタミンビーろく【ビタミンB6

水溶性ビタミンのひとつ。たんぱく質の代謝に不可欠な補酵素。皮膚炎を予防する物質として発見されたビタミン。魚類、肉類、鶏卵、豆類などに多く含まれる。大脳や神経の刺激伝達物質を生成し、脳機能を維持する働きをもつほか、赤血球中のヘム合成に関わり血液をサラサラに維持、皮膚や粘膜の抵抗力の向上、免疫力強化、貧血症の予防・改善、動脈硬化症の予防などさまざまな作用をもつ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビタミンB6」の意味・わかりやすい解説

ビタミンB6
ビタミンビーろく
vitamin B6

ピリドキシン,ピリドキサル,ピリドキサミンが含まれる。ピリドキシンは水溶性で蛋白質代謝に関連が深く,これが欠乏すると,蛋白質から炭水化物,脂肪への転換が押えられる。米ぬか,胚芽,酵母,肝臓に多く含まれる。ビタミン B6 欠乏症では,ペラグラ様皮膚炎,脂漏性皮膚炎,食欲不振,吐き気,口唇炎,B6 反応性鉄芽球性貧血などが起る。1日 10~50mgを内服または注射すると,症状は消失する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビタミンB6」の意味・わかりやすい解説

ビタミンB6
びたみんびーろく

ビタミン

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