ピンクガイ(読み)ぴんくがい(英語表記)pink conch

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピンクガイ」の意味・わかりやすい解説

ピンクガイ
ぴんくがい
pink conch
queen conch
[学] Strombus gigas

軟体動物門腹足綱スイショウガイ科の巻き貝。大形種で、西インド諸島に分布している。殻高30センチメートル、殻幅18センチメートルに及び、螺塔(らとう)は円錐(えんすい)状にそびえ、周縁三角の鋭い棘列(きょくれつ)がある。体層も同様であるが、低くて強い螺肋(らろく)もある。成貝になると殻口外唇が翼状に張り出し、その中が淡紅色の滑層で覆われ、軸唇も濃いピンク色になる。外唇下端の切れ込みはやや不鮮明である。

 かつては原住民ホラガイのようにらっぱにも用いた。本種は漁業対象となっていて、肉は食用とされ美味といわれる。殻は色彩がエキゾチックなので、室内装飾用に用いられている。

[奥谷喬司]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピンクガイ」の意味・わかりやすい解説

ピンクガイ
Strombus gigas; pink conch; queen conch

軟体動物門腹足綱スイショウガイ科。殻高 20cm,殻径 17.5cmになる大型種。殻は太い両錐形,螺塔は6階で,各層の周縁は角張り角状突起があり,下方の螺層ほど強く長い。また,全面強弱の螺肋がある。殻表は黄褐色。体層は大きく殻高の3分の2を占め,下方へ狭くなり,肩は広く強い結節列がある。殻口は大きく上外方へ開き,殻口内はピンク色。アメリカのフロリダ南東部から西インド諸島に分布し,潮間帯から水深 50mの砂底にすむ。普通種であったが,食用や装飾用に採取され減少しつつあり,ワシントン条約によって国際取引が禁止されている。

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