三角(読み)サンカク

デジタル大辞泉 「三角」の意味・読み・例文・類語

さん‐かく【三角】

三つのかどがあること。また、その形。三角形
三角法」「三角関数」などの略。

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精選版 日本国語大辞典 「三角」の意味・読み・例文・類語

さん‐かく【三角】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 三つの角があること。また、そのような形。三角形。
      1. [初出の実例]「籌はながさ八寸につくりて三角なり、ふとさは手拇指大なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)洗浄)
    2. 屠蘇(とそ)袋。三角形に縫うのでいう。
      1. [初出の実例]「三角は目出たい薬袋なり」(出典:雑俳・柳多留‐二四(1791))
    3. 江戸時代、中世の北条家をしゃれていった語。家紋が三鱗(みつうろこ)であったことによる。
      1. [初出の実例]「三角の法で時政世をふまへ」(出典:雑俳・柳多留‐六四(1813))
    4. 演劇関係で、紙やプラスチック系の材料で作った鱗(うろこ)形の雪をいう。三角な雪。
    5. さんかくほう(三角法)」「さんかくかんすう(三角関数)」の略。
      1. [初出の実例]「高等学校に入る可き準備をして居た時でも、三角(カク)に対する冷淡は画に対する熱心と常(いつ)も両極をなして居た」(出典:小春(1900)〈国木田独歩〉四)
    6. さんかくかんけい(三角関係)」の略。
      1. [初出の実例]「要助と時江とクラは、三角のやうな関係だった」(出典:欅の芽立(1936)〈橋本英吉〉二)
  2. [ 2 ] 江戸時代、江戸三田四国町と田町二丁目との間の三角の土地にあった岡場所。天保の改革によって取払いとなった。
    1. [初出の実例]「兎角ゑてでなければ酒も呑めぬ硯蓋に四角な鶏卵も出来れば三角といふ遊女町有」(出典:洒落本・南極駅路雀(1789))

みつ‐かど【三角】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 三つの角。三稜(さんりょう)
    1. [初出の実例]「雪は六出(ろくすゐ)と云うて必ず六出(むつかど)侍る、霜は三出(さんすゐ)と云ひて三出(ミツカド)あり」(出典:仮名草子・百物語評判(1686)四)
  3. 三方に道が分かれた地点。三方に通じる辻(つじ)
    1. [初出の実例]「三ツ角の交叉点迄出ると」(出典:彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉停留所)
  4. 茎の断面が三角形になっている草の称。カヤツリグサなど。〔俳諧・糸切歯(1762)〕

み‐かど【三角】

  1. 〘 名詞 〙 蕎麦(そば)をいう女房詞。そもじ。あおい。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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日本歴史地名大系 「三角」の解説

三角
みかど

[現在地名]琴南町川東

三角集落は明神みようじん川の右岸にあって、左岸の旧勝浦かつうら村の三角みかどと、昔から一つの生活圏をつくっていた。明治二三年(一八九〇)美合みあい村が成立した時、川東かわひがし村の三角以南の川奥かわおく株切かぶきり沖野おきのなどと、勝浦村の横畑よこばたの地域を総称して川奥とよぶようになった。この地域は昔から阿波との関係の深い所で、天保六年(一八三五)に葛布の製造に成功した地域である(讃岐国名勝図会)


三角
みすみ

[現在地名]丸子町大字御岳堂

御嶽堂みたけどう中山なかやまから飯沼いいぬまに通ずる道に沿った集落。東を依田よだ川が流れ、北には条里的遺構の残る水田地帯が広がる。江戸時代初期までの集落や産土神の愛宕社は、依田川沿い段丘の端に残る古道沿いにあったが、川欠けのため、やや西寄りの現在位置に移住したと伝える。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三角」の意味・わかりやすい解説

三角
みすみ

熊本県中部、宇土(うと)郡にあった旧町名(三角町(まち))。現在は宇城市(うきし)の西部を占める地域。旧三角町は1902年(明治35)町制施行。1955年(昭和30)郡浦(ごうのうら)、戸馳(とばせ)、大嶽(おおたけ)の3村と合併。2005年(平成17)不知火(しらぬひ)町、松橋(まつばせ)町、小川(おがわ)町、豊野(とよの)町と合併、市制施行して宇城市となった。なお、この合併で行政単位としての宇土郡はなくなった。旧町域は、宇土半島の西南端に位置し、島原湾八代海に臨み、架橋された戸馳島(とばせじま)を含む。また、三角ノ瀬戸を挟んで西に位置する大矢野島(上天草市)とは、天草五橋の1号橋である天門橋で結ばれる。樹枝状に発達している谷底平野は、久しく主幹産業である米麦農業の舞台であったが、海岸の温暖な緩傾斜地を利用して始められた柑橘(かんきつ)栽培はいまや三角の農業の中核となっており、樹園地は大岳(おおたけ)(478メートル)、三角岳(406メートル)の中腹にも広がっている。宇土半島の北西端に位置する三角旧港(三角西港)施設は、貿易振興を目的として1887年(明治20)に開港、高度な石造技術が発揮されたわが国最初期の本格的近代港湾施設である。内務省お雇いのオランダ人技師ルーエンホルスト・ムルドルによって設計され、単なる港湾の修築のみならず、総合的な都市計画を具備したものとして、また当時の遺構がそのまま残る貴重な近代の文化遺産として、国指定の重要文化財(建造物)となっている。熊本県下最初の特別輸出港・貿易港としての同港の機能が衰え始めたのは、1903年(明治36)三角線(現、JR)が現在の三角港(三角東港)まで開通したのが直接の原因である。この東港も、天草(あまくさ)五橋の開通(1966)に伴う国道57号(北岸道路)、国道266号(南岸道路)の整備によって、その取扱い貨物量は伸び悩んでいる。かわって観光ルートの中継地としての地位が確立した。小田良古墳(おだら)(国史跡)、龍驤館(りゅうじょうかん)(武道場)、九州海技学院(旧、宇土郡役所)、天翔台(てんしょうだい)(展望台)や大田尾(おおたお)・若宮海水浴場、さらに戸馳花卉(かき)団地、戸馳車エビ養殖池など観光資源には事欠かない。

[山口守人]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三角」の意味・わかりやすい解説

三角
みすみ

熊本県中部,宇城市西部の旧町域。宇土半島先端部にある。八代海に浮かぶ戸馳島を含む。1902年町制。1955年戸馳村,郡浦村,大岳村の 3村と合体。2005年小川町,不知火町,豊野町,松橋町と合体し宇城市となる。中心地区三角は明治期からの港町で,別府-阿蘇-雲仙-長崎を結ぶ観光ルートの要地。島原港との間にフェリーが通じるほか,県下有数の貿易港でもあり,重要港湾に指定。三角港の西港地区は 1880年にオランダ人技術者によって設計され,国費を投じて 1887年開港した。日本最初期の本格的な近代港湾施設で,三角旧港(三角西港)として国の重要文化財に指定され,2015年には世界遺産の文化遺産に登録された。天草五橋(天草パールライン)により大矢野島天草諸島と結ばれ,天草観光の基地としての重要性も増している。周辺は丘陵性の山地が広く,ミカン栽培が盛ん。国指定史跡の小田良古墳があり,一部は三角大矢野海辺県立自然公園に属する。

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百科事典マイペディア 「三角」の意味・わかりやすい解説

三角[町]【みすみ】

熊本県宇土郡,宇土半島先端部を占める旧町。主集落は1887年の築港(西港)以来,港町として発達。1899年三角線開通後は年東港開港を経て貨客港として発展。天草五橋の起点でもあり,雲仙天草国立公園観光の要地。ミカン栽培が盛んで,メロン,イチゴなども産する。2005年1月宇土郡不知火町,下益城郡松橋町,小川町,豊野町と合併し市制,宇城市となる。48.30km2。1万289人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「三角」の意味・わかりやすい解説

三角 (みすみ)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「三角」の解説

三角 (スクチ)

学名:Liza carinatas
動物。ボラ科の海水魚

三角 (ミツカド)

植物。カヤツリグサ科の抽水性多年草,薬用植物。ウキヤガラの別称

三角 (ミツカド)

植物。カヤツリグサ科の一年草。カヤツリグサの別称

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