ファストファッション(読み)ふぁすとふぁっしょん(その他表記)fast fashion

翻訳|fast fashion

デジタル大辞泉 「ファストファッション」の意味・読み・例文・類語

ファスト‐ファッション(fast fashion)

ファーストファッション

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファストファッション」の意味・わかりやすい解説

ファストファッション
ふぁすとふぁっしょん
fast fashion

流行のデザインを取り入れた衣料品を迅速に大量生産し、短期間に売り切ってしまうファッション・ブランド、あるいはそのビジネスモデル。定番商品をもたず、最新トレンドを反映した新商品を1週間から2週間単位で次々と店頭に並べ、1か月足らずでほぼ入れ替えてしまう。Tシャツ1枚数百円、ワンピース1着数千円などと価格が安い点に特徴がある。安くて早い「ファストフード」になぞらえてこうよばれる。流行に敏感で同じ服を単一シーズンしか着用しないという消費者層に支持され、世界的に売上げを伸ばしている。

 スウェーデンの「H&M」(ヘネス&モーリッツ)、「ザラZara」ブランドをもつスペインのインディテックス社INDITEX、アメリカ系の「フォーエバートゥウェンティワンFOREVER21」、イギリスの「トップショップTOPSHOP」などが有名。世界各国に店舗をもち、H&M社やインディテックス社の年間売上げは1兆円を超える。最近はファストファッションどうしの競争も激しく、有名デザイナーと組んで新ブランドを売り出す例が目だつ。広義には「ユニクロ」ブランドを扱う日本のファーストリテイリング社も含まれるとの意見がある一方、「ユニクロ」は定番品が中心で、ファストファッションの範疇(はんちゅう)には属さないとの見方もある。

[編集部]

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知恵蔵 「ファストファッション」の解説

ファストファッション

流行を採り入れつつ低価格に抑えた衣料品を、大量生産し、短いサイクルで販売するブランドやその業態のこと。安くて早い「ファストフード」になぞらえた造語。世界的不況の下、ファッション業界でも世界的規模で大手グローバルチェーンが寡占し、売り上げを伸ばしている。日本のブランドとしては、ユニクロ、g.u.、しまむら、海外ブランドではGAP(米国)、フォーエバー21(米国)、H&M(スウェーデン)、ZARA(スペイン)などが代表的。アパレルメーカーが直営店で売る製造小売りの販売形態をとることが多く、売り場は常に商品が更新されて新しさと安さをアピールする一方、商品からは短期間で消費者が離れる傾向がある。
日本ではデフレ不況と消費者の節約志向の中で注目を受け、日本経済新聞社が選ぶ2009年上期(1~6月)の日経MJヒット商品番付では、西の横綱に選出された(東の横綱は「インサイト(ホンダ)&プリウス(トヨタ自動車)」)。また、自由国民社の主催で「現代用語の基礎知識」(同社発行)が今年の世相を映した言葉を選ぶ「ユーキャン新語・流行語大賞」においては、09年のトップ10に選出され、09年12月1日に行われた授賞式でファストファッションを着たモデルの益若つばさが受賞した。

(葛西奈津子  フリーランスライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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