改訂新版 世界大百科事典 「ファンネック」の意味・わかりやすい解説
ファン・ネック
Jacob Cornelisz.van Neck
生没年:1564-1638
オランダの東インド派遣船隊提督。アムステルダム生れ。ハウトマンの東インド航海(1595-97)の成功に刺激されてアムステルダムに設立された貿易会社が,1598年東インドに8隻からなる船隊を派遣し,ネックはその提督に任命された。船隊は同年末ジャワ島バンテンに到着。ネックは99年4隻を率いて帰国し,残った4隻はアンボン島,バンダ諸島,モルッカ諸島へ到達し,バンダ諸島,テルナテ島に商館を設置し,多量の香料を積荷として帰国した。1600年ふたたび6隻の船隊を率いて東インドに向かい,翌年バンテンに到着し,マレー半島東側のパタニに赴き商館を設置。これらの商館の設置により,東インドにおけるオランダ人の貿易の基礎が築かれた。03年の帰国後は,アムステルダムの市参事会員,市長に選ばれた。東インド航海の記録は出版され版を重ねた(邦訳《ファン・ネック指揮による第2次航海の記録》1981)。
執筆者:栗原 福也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報