インドネシア東部,モルッカ諸島に属する島。アンボイナ島ともいう。面積816km2,人口約7万。火山性で最高点はサルフートゥー山(1340m)。住民はマレー系とパプア系の混血したアンボン族で,肌色は黒く,毛髪は縮れている。小島ではあるが古くからチョウジ,ニクズクなどの香料産地として知られ,そのうえ戦略的要点にも当たる。このため1512年ポルトガル人が到着してから,ポルトガル,オランダ,イギリスなどの間で激しい争奪戦が行われた。17世紀初めにはイギリスの傭兵となった日本人もまきこんだ名高いアンボン事件も起きている。オランダ権力の確立後,アンボン族はキリスト教徒となり,勇敢な性質,付近の住民より高い文化をもつことで,オランダ植民地軍の忠実な兵士として貢献した。島の西岸にある主都アンボンは天然の良港で,今もインドネシア海軍の基地,また近海漁業の中心であり,22万4160人(2003)が集中する。なおオランダ在住のアンボン族は近年インドネシアからの分離独立を企てている。
執筆者:別技 篤彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
インドネシア、モルッカ諸島の一島。バンダ海の北端に位置し、北はセラム島に近接する。アンボイナ島Amboina Pulauともいう。面積816平方キロメートル、人口約6.7万。北東から南西方向に細長い島で、島を二分するかのようにアンボン湾が入り込んでいる。アンボン湾はかつては狭小な海峡であったが、東部に沿岸流によって砂州が形成されたためヒトゥ島とレイティモル島がつながり、現在のアンボン島がつくられた。全島山がちな地形をなし、サラフートゥー山(1027メートル)をはじめいくつかの火山がそびえる。島の周囲はサンゴ礁が発達している。1512年ポルトガル人によって「発見」された。チョウジ、ニクズクなどの香料栽培が古くから行われており、香料をめぐってポルトガル、オランダ、イギリスなどの国々の間にこの島の争奪戦があり、西欧との接触が多かった。17世紀初期に起こったアンボイナ事件はその争いの一つとして著名である。主要な住民はアンボン人。主都はアンボン湾の奥に位置するアンボン。
[上野福男]
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