アンボン島(読み)あんぼんとう(英語表記)Ambon Pulau

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンボン島」の意味・わかりやすい解説

アンボン島
あんぼんとう
Ambon Pulau

インドネシア、モルッカ諸島の一島。バンダ海北端に位置し、北はセラム島に近接する。アンボイナ島Amboina Pulauともいう。面積816平方キロメートル、人口約6.7万。北東から南西方向に細長い島で、島を二分するかのようにアンボン湾が入り込んでいる。アンボン湾はかつては狭小な海峡であったが、東部に沿岸流によって砂州が形成されたためヒトゥ島とレイティモル島がつながり、現在のアンボン島がつくられた。全島山がちな地形をなし、サラフートゥー山(1027メートル)をはじめいくつかの火山がそびえる。島の周囲はサンゴ礁が発達している。1512年ポルトガル人によって「発見」された。チョウジ、ニクズクなどの香料栽培が古くから行われており、香料をめぐってポルトガル、オランダ、イギリスなどの国々の間にこの島の争奪戦があり、西欧との接触が多かった。17世紀初期に起こったアンボイナ事件はその争いの一つとして著名である。主要な住民はアンボン人。主都はアンボン湾の奥に位置するアンボン。

[上野福男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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