インドネシア東部,モルッカ(マルク)諸島北部にある小島。面積106km2,人口約7万。ハルマヘラ島の西岸に隣接し,標高1745mのコニーデ型火山がそびえる。古来重要な香料であるチョウジ(丁字)の産地として知られ,外国商人の来住も多かった。近世にはスルタンの支配するイスラム王国が成立したが,16世紀後半からスペイン,ポルトガル,次いでオランダなどの争奪地となり,ついに1683年にオランダ東インド会社領とされた。こうした歴史を反映し,島はモルッカ諸島中でも有数の人口稠密な所である。火山のすそ野はよく開かれて農耕地になっている。住民は大部分が中心都市テルナテに集中する。港は近代的な設備が整っている。
執筆者:別技 篤彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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