改訂新版 世界大百科事典 の解説
ファン・ヒンローペン・ラッベルトン
Van Hinloopen Labberton
生没年:1874-?
オランダ領東インド神智学協会の指導者。20世紀初めから,インドネシアの各地にオランダ人によって神智学協会の支部が設立された。1901年のスマラン館,02年のジョクジャカルタ館などが知られているが,ラッベルトンは12年ごろから23年4月まで,バタビア(現,ジャカルタ)のウィレム3世ギムナジウムでジャワ語を教えるかたわら,協会の議長を務め,《月刊神智学》によって活動した。彼はまた,神秘主義を共有するジャワ人の貴族やブディ・ウトモの指導者たちと深い関係をもった。《ジャワ年代記》や日本神話についての論稿を残したほか,43年以来,アメリカ東インド協会の講師に名を連ね,日本語の翻訳に当たった。
執筆者:土屋 健治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報