フィッツウィリアム家(読み)フィッツウィリアムけ(その他表記)Fitzwilliams

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィッツウィリアム家」の意味・わかりやすい解説

フィッツウィリアム家
フィッツウィリアムけ
Fitzwilliams

アングロ・ノルマン系のイギリス名門貴族の家系。国王ウィリアム1世の庶子を祖とし,16世紀以降,いくつかの爵位を得て,イングランドアイルランドにおいて政治的に重要な地位を占めた。ウィリアム (1542没) はヘンリー8世学友として育ち,その側近としてランカスター公領長官 (29) ,海軍長官 (36~40) などを歴任,1537年ノーサンプトン伯を授けられたが,スコットランド遠征に従軍して戦死。ウィリアム (26~99) はアイルランド総督になり,S.オニールに対抗,彼の没後もアイルランドの平定に努力した。ウィリアム・ウェントワース (1748~1833) はロッキンガム侯の甥で,2代フィッツウィリアム伯となったが,熱心なホイッグ党員として知られ,1794年ピット (小)の内閣に枢密院議長として入閣,翌年アイルランド総督になったが,旧教徒に同情的な発言をしたため3ヵ月で解任された。 98年ウェストライディングの統監になり,1806~07年枢密院議長に再任された。以後も自由主義的な立場から政府を批判し,19年にはピータールーの虐殺を非難して統監も解任された。その子の3代フィッツウィリアム伯チャールズ・ウィリアム・ウェントワース (1786~1857) も自由主義派で,議会改革や自由主義貿易の実現に尽力した。

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