日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィーダー」の意味・わかりやすい解説
フィーダー
ふぃーだー
feeder
送信機から送信アンテナへ、受信アンテナから受信機へ高周波電力を伝送するために使用する線路。給電線、饋(き)電線ともいう。VHF、UHF以下の周波数帯ではおもに同軸線路が用いられる。送信用は内導体、外導体ともに銅のパイプでつくられ、インピーダンスは一般に50オームで、使用する電力に応じ種々の径のものが製造されている。受信用にはリボンフィーダーと同軸ケーブルがある。リボンフィーダーは二つの金属導体と誘電体で構成されている。伝送損失は少ないが、表面に雨や塩が付着すると損失が増加するとか、外部雑音など妨害電波の影響を受けやすいという難点もある。同軸ケーブルは外部雑音の影響をほとんど受けないが、リボンフィーダーよりやや高価である。リボンフィーダーのインピーダンスには300オームと200オームとがあり、同軸ケーブルには75オームと50オームとがある。
以上のほか、周波数の大きなマイクロ波、ミリ波帯では伝送損失を小さくするため、もっぱら導波管が用いられている。
電鉄関係では、トロリー線や第三軌条レールに変電所から電力を供給する電線をフィーダーあるいは饋電線という。また送配電関係では、発・変電所から需要地に至る配電線のうち、分岐線および配電変圧器のない部分をフィーダーあるいは給電線という。
[木村 敏・金木利之]