ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォールコン」の意味・わかりやすい解説
フォールコン
Phaulkon, Constantine
[没]1688.6.5. アユタヤ
タイのアユタヤ朝の宮廷事件に関係したギリシア系イギリス人。1675年イギリス東インド会社雇員としてタイ南部で貿易を始め,プラ・ナーラーイ王の信頼を得てタイ王室貿易の実権を握り,事実上大蔵大臣を務めた。国王をカトリックに改宗させようと努めたが,果たせなかった。また自分が所属していたイギリス東インド会社を以前から嫌っており,1687年イギリスと対決し,フランス東インド会社(1664特許状交付)による王室貿易の進展をはかった。さらにアユタヤとフランスの使節の交換,フランス兵の駐屯に尽力したが,プラ・ナーラーイ王没後の後継者争いに介入したため,排外派タイ貴族の手により処刑された。妻は日本人で,男子 1人をもうけた。
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