…七五三などの式正(しきしよう)の料理の形式主義に対する批判と反省に基づいて,煩瑣(はんさ)な儀礼と過剰な装飾を排し,実質的な味覚を楽しむためのものとして成立した。伊勢貞丈の《貞丈雑記》が〈本式にあらざる物にはふくさと云事を付ていふなり〉といっているように,略式のものを呼ぶのに〈ふくさ〉を冠したことによる呼称である。やがて酒と料理を楽しもうという時代の要請にこたえた会席料理へと発展して,現在の日本料理の中核を形づくるようになった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」