フッ化アルキル(読み)ふっかあるきる(その他表記)alkyl fluoride

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フッ化アルキル」の意味・わかりやすい解説

フッ化アルキル
ふっかあるきる
alkyl fluoride
fluoroalkyl

ハロゲン化アルキルの一種で、二つの意味がある。一つはフッ化アルカンの別名で、飽和炭化水素水素原子を1個以上フッ素原子で置換した物質をさす。フッ化メチルCH3Fやフッ素樹脂(-CF2-CF2-)nなどがこれにあたる。他の一つは、1個以上のフッ素原子を含むアルキル基をさし、フッ化メチル基F-CH2-や三フッ化メチル基F3C-などがこれにあたる。前者はミミック効果による生理活性の強化、後者分子の電子密度低下や親油性向上などの効果が高く、長持続性や親油性を期待して医・農薬合成の際しばしば導入される。たとえば、酢酸は食酢になるが、一フッ化酢酸FCH2COOHは強い毒物であり、トリフロシンは強力な利尿剤である。

[加治有恒]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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