ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フラキウス・イリリクス」の意味・わかりやすい解説
フラキウス・イリリクス
Flacius Illyricus, Matthias; Matija Vlačić Ilir
[没]1575.3.11. フランクフルトアムマイン
ドイツのルター派宗教改革者,教会史の開拓者。 1541年 P.メランヒトンの知遇を受け M.ルターの影響下に入ったが,のちに神人協力説に反対し,原罪は偶然ではなく,人間の本質的性質であるという考えを『聖書の鍵』 Clavis scripturae sacrae (1566) で著わし,人間の自由意志の存在を否定した。また 52年以来,全ヨーロッパの図書館の入手可能な資料を集めて書いた教会史『マグデブルクの世紀』 Centuriae Magdeburgensesで,ローマ教会の主張を反駁しようとした。
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