ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランツ1世」の意味・わかりやすい解説
フランツ1世
フランツいっせい
Franz I; Franz Stephan
[没]1765.8.18. インスブルック
神聖ローマ皇帝 (在位 1745~65) 。マリア・テレジアの夫。ハプスブルク家と深い姻戚関係にあったため,若い頃ウィーンの宮廷で教育を受け,ロートリンゲン公となった。 1736年皇帝カルル6世の長女マリア・テレジアと結婚したが,そのおり,フランスとの外交関係調整のためロートリンゲン公の地位をルイ 15世の岳父スタニスワフ・レシュチンスキーに譲り,代りにトスカナ大公の地位を与えられた。カルル6世の死後,妃マリア・テレジアが全ハプスブルク領を継承,統治し,オーストリア継承戦争が起ると,マリア・テレジアは 45年9月 13日彼を皇帝に選出させた。しかし偉大な妃の陰に彼の影は薄く,財政,経済問題に多少関与した程度であった。学術愛好家としても聞えていた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報